来週の相続セミナーで話す内容の中に、相続放棄についての話が出てきます。
そこで、相続放棄のことを改めて調べてみました。
一応、民法上では、相続放棄をすると最初から相続人でなかったことになるというのは知っていましたが、確か民法上と相続税法上の扱いって違ったよなぁ…と思ったので。
民法上の扱い
まず民法上の扱いから。
- 「初めから相続人とならなかった」とされるので、一切の権利や義務を受け継がないことになる
(つまり遺産を受け取る権利も、借金を返す義務も一切なくなる) - 放棄したことで相続人がいなくなった場合、次の順位の相続人(例:子が放棄したら親、親がいなければ兄弟姉妹)に相続権が移る
- 代襲相続(被相続人の子供が先に亡くなっていて、相続権が孫に移る場合など)は起きない
とのことでした。
相続税法上の扱い
相続税法上の扱いはちょっと違いました。
相続税法でよく使われるのは
相続税がかからない枠(基礎控除)
=3,000万円 + (600万円×法定相続人の数)
生命保険の非課税枠
=500万円×法定相続人の数
の2つですが、税負担の公平性を保つため、「相続放棄がなかったものとして(=放棄した人も含めて)」法定相続人の数を数えて計算するとのことでした。
ただし、生命保険の非課税枠に関しては次のような注意点があるようです。
- 被相続人=被保険者=契約者の場合、死亡保険金は「受取人固有の財産」となるため、受取人である法定相続人が相続放棄をしても、死亡保険金を受け取ることはできる
- ただし、受取人である法定相続人が相続放棄をした場合、法的には「初めから法定相続人ではなかった」として取り扱われる
- そのため、相続放棄をした法定相続人は、死亡保険金を受け取ることはできても、生命保険の非課税枠は適用できず、受け取った保険金全額に対して相続税がかかる
非課税枠の計算の時には相続放棄した人の数も含むのに、死亡保険金の課税非課税の判定の時には初めから法定相続人でなかったことにするなんて。
よく考えれば理解できるんですが、一瞬わかりにくいなぁと思いました。
税額の計算が税理士の独占業務だという理由がよくわかった気がした出来事でした。

